今回は実際に災害にあった場合、保険金はいくらもらえるの?というテーマです。
火災保険は必要だけど、長期的にお金がかかる…といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?
いざという時、どのくらい保険金が受け取れるのか?他にどの様な保証があるのか?疑問に思っている方も多い様です。
今回は、そんな疑問にお答え!
「火災保険で保険金はいくらもらえるの?金額の決まり方や火災保険の考え方を解説」です。
↓火災保険の概要について知りたい方はこちら
火災保険ってどんなことを補償してくれるんだっけ?という方は、まずこちらをチェック↓!
火災保険の保険金の基本的な考え方
火災保険で支払われる保険金は、「損害保険金」と「費用保険金」の2つに分けることができます。
「損害保険金」は、災害などの際に受けた損害を災害前の状態に戻すためのお金として支払われる保険金です。
例えば、住宅や家財が台風で損害を受けた場合は、それらを元の状態に戻すための費用が支払われます。
「費用保険金」は、損害にともない必要になる費用です。
例として、台風の際の片付け費用や床下浸水の際の廃棄物処理、火事で隣家に延焼してしまった場合の見舞金などが挙げられます。
他に、火災や自然災害で被害を受けた際に追加で支払われる臨時費用保険金も費用保険に入ります。
「損害保険金」 – 災害などによる損害箇所の原状回復のために支払われる保険金
「費用保険金」 – 損害にともない必要な費用(廃棄物処理や片付けの費用など)
火災保険の保険金の損害保険金とは?
先ほども出てきた様に損害保険金とは、災害などによる損害箇所の原状回復のために支払われる保険金。
イメージしやすい様にもう少し具体的にみていきましょう。
例えば、火事でキッチンが燃えてしまった場合や、強風で飛んできたもので窓が割れてしまった場合などは、損害を受けた部分を元の状態にするためにかかる金額が支払われます。
床上浸水の結果、リフォームが必要になった床や壁、使えなくなってしまった家具や家電なども保険会社が費用を算出し、保険金として支払ってくれます。
保険金というと、沢山お金がもらえると思っている人も多いのですが、実際は見積もりなどの情報を元に保険会社が原状回復に必要な金額を算出し、保険金を支払っているのです。
最終的に支払われる金額は、保険会社によって判断されるので、欲しい金額をそのままもらえるわけではないんですね。
ここで、1つ気をつけなくてはいけないのが、火事で家が全焼してしまった場合です!
家が全焼してしまった場合は、保険金額の全額が支払われます。
全焼の際の保険金支払上限額
家が全焼した場合は保険金額の全額が支払われるというお話でしたが、ここで重要なのは「保険金支払の上限額」。
これが、いくらなのかがとても重要ですよね?
この上限額とは、保険契約時に設定した保険金額です。
そのため、保険料を抑えたいがために保険金額を少なく設定した場合、家が全焼しても家の再建や再購入には費用が足りず、再建や再購入できない場合があります。
この様に、保険金額が低いことを一部保険と言います。
逆に保険金額が大きすぎることを超過保険、適切な金額のことを全部保険と呼びます。
超過保険になっている場合、超過になっている部分は支払われないので、払い損になってしまいます。
保険金額は、もしもの時に備えて適切な金額を設定しましょう!
火災保険の金額は、建物を再建築または再購入する際に必要な金額を設定するのが適切です。
では、建物を再建築または再購入する際に必要な金額は、どこでわかるんだろう?と疑問に思いますよね?
これが建物評価額です。
建物評価額は消費税から算出、もしくは固定資産税の固定資産税評価額で確認することができます。
話をまとめると以下の通りです。
◯全焼のリスクを考えると保険金額は適切に設定することが大事
◯『保険金額=建物評価額にするのが最適』
火災保険の適切な保険金額が気になる方はこちらの記事をチェック↓
火災保険の保険金、保険価額基準は2つ
ここまでは全焼した場合は保険金額がまるまるもらえるので、適切な保険金額を設定するのが大事!という話でした。
ここで注意事項ですが、1998年より前に火災保険に加入した場合は注意が必要です!
実は、損害の額を算出するときに使われる保険価額(=現在の建物の価値)の基準には新価と時価の2つの考え方があります。
「新価」は新しいものを建築・購入する場合に必要な価格、「時価」は経過年数や使用消耗分など価値の下がった部分を差し引いた価格です。
「新価」 – 新しいものを建築・購入する場合に必要な価格を建物価値とする考え方
「時価」 – 経過年数や使用消耗分など価値の下がった部分を差し引いた価格を建物価値とする考え方
現在は新価が一般的ですが、1998年以前は時価が一般的だったのです。
そのため1998年よりも前に契約した場合、災害にあった際に保険金が少なくて家が再建出来ない…というケースが起こる可能性があります。
1998年以前に加入をしてそのままの場合は、時価契約か新価契約か確認するのがおすすめです!
火災保険の保険金では全額が支払われる訳ではない?!
ここまでで、全焼した場合は保険金額の上限額まで支払われるということがわかりました。
もう1つ気をつけなければいけないのが、保険金額の全額が支払われないケースです。
全額支払われないケースは全焼だけでなく全ての損害で共通しており、よく知られているのが免責(自己負担額)ですね。
ここでは、全額支払われない保険金のタイプに2つについて紹介します。
①免責方式(自己負担額を予め決めておく)
免責という自己負担額を事前に決めておくという一般的な方式。
免責が設定されている場合の保険金の計算は下のようになります。
損害額※-自己負担額(設定されている場合)=保険金
※保険金額が支払上限
※損害額とは損害箇所の原状回復のために支払われる金額のこと
予め決めた自己負担額が5万円の場合、修理費が5万円より安い場合、保険金は受け取れません。
それは自己負担分なので、自分でお金を出して修理をしてね!ということになります。
自己負担額5万>修理費2万 → 保険金はもらえない、自己負担で賄う
修理費40万円など自己負担額より大きい場合、自己負担額5万円を差し引いた金額がもらえます。
自己負担額5万<修理費40万 → 保険金がもらえる(修理費から自己負担額を差し引いた金額)
②損害額20万円以上型
このタイプは、修理費にかかる費用が20万円を超える場合に保険金がもらえます。
修理費2万<20万 → 保険金はもらえない、自己負担で賄う
逆に小さい額の損害の場合は、お金を受け取る事ができません。
修理費40万>20万 → 保険金がもらえる(修理費から20万を差し引いた金額)
火災保険で保険金が支払われない場合もある!
ここまで、火災保険の保険金はいくらもらえるのか?というテーマでお話をしてきました。
最後にお伝えしたいのが、火災保険でも保険金が支払われないケースがあるということです!
保険金をもらいたいためにわざとモノを壊したり、家を破損させた場合は重大な過失があるとされ、保険金が支払われない場合があります。
また、保険金には期限があり、損害の原因となった事柄から3年以内に請求することと定められています。
↓このようなケースについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
↓保険金がおりないケースについてはこちら
まとめ
今回は、火災保険の保険金はいくらもらえるの?というテーマでした。
内容のまとめはこちら
◯火災保険で支払われる保険金には、主に「損害保険金」と「費用保険金」の2つ
◯損害保険金は、損害箇所の原状回復に必要な金額を最終的に保険会社が判断して支払う
◯建物が全焼した場合は上限額が支払われる(保険契約時に設定した保険金額)
◯現在の建物の価値を決める評価の方法は「真価」と「時価」の2つある
◯火災保険の保険金は一部または全額支払われないこともある
火災保険の保険金には、損害の原状回復のために支払われる損害保険金と、それに伴う費用となる費用保険金の2つ。
支払われる保険金は保険会社が見積もりなどを元に算出した金額。
保険金の上限金額は契約時に決めた保険金額なので、保険金額は建物を再建や再購入するのにかかる費用と同じにするのが適切です。
保険価額には「真価」と「時価」2種類あり、古い契約の場合は確認をおすすめします。
火災保険の保険金は、必ずしも支払われる訳ではなりません。
火災保険で支払われる保険金は、支払われる額の算出方法まで細かく決まっています。
知識を増やして賢く利用しましょう!
↓詳しい申請の流れを知りたい方はこちら